そらさんの日記

取り留めもないことを書いていくブログです。音楽や文字が中心になるかも。 ついったー→ @naname_yokotate

【夢の話】せんせいの家に行く話

うちにはもうひとりいるから、仲良くしてやってくれ

先生と呼んでくれと言った少女はそう言った。
よくわからないこの世界に落とされた僕の言うことを、何も言わずに信じてくれた先生。
関係を悪くしたいとは思うわけもなく、はいと答えた。

先生の家に着き、戸を開く。すると奥からパタパタと、こちらに来る足音が聞こえる。

先生、おかえりなさい。

そう言って出てきたのは中性的な少年だった。それも、なぜか半裸の。

違う、私の趣味などではない。君、服は着るものだと教えただろう。着てきなさい
僕の胡乱な視線を受けた先生はすこし焦った感じでそう言った。

着替えてきた少年に紹介される。

このこは   だ。 、こちらは  。暫くうちにいるから仲良くしてやってくれ。

わかりました、先生

元気よく答える少年。
僕も特に反発する必要はないので、わかりましたと答える。

リビングか、ダイニングだろう。そこに案内してくれた先生は、お腹が空いただろう。少し待っていたまえ。そう言って奥に行った
しばらくするといい匂いがしてくる。僕の目の前に座った少年は目を輝かせてキッチンのほうを見ていた。料理は美味しかった気がする。

先生たちと過ごし始めてわかったことは、先生は本当に先生のように、少年にいろいろなことを教えているようだったこと。少年は教えてもらったことを嬉しそうに僕におしえてくれること。
教えてもらったことは大抵、僕も知っているようなことで、拙い部分を指摘すると尊敬の眼差しで見られる。たいいしたことはしていないので恥ずかしい。

基本的に過ごすのは先生の家の中で、そこから出ることはない。窓は締め切られていて、ベランダから外に出ることも叶わないようだ。

これを見てください

ある日のこと。少年が持ってきたのは、筆に硯、半紙。この西洋風の建物にあまり似つかわしくない書道セットだった。
見ていてくださいね、そう言って文字を書きはじめる少年。書いているのは日本語で、それはかろうじて読み取れる単語だった。いつものように、ここをこうしたほうがいいと手本を見せてやる。久しぶりの書道だったので、少し真剣に書いた。

一通り教えたところで先生が帰ってくる。
ただいま、と少し嬉しそうな先生。
なにかあったんですか、と聞くと、引き取り手がいなくなってしまった、とても残念だと言った。残念だと言いながらも顔が綻んでいるのは、きっと少年と過ごす日々があたたかいのだろう。笑う先生を見た少年は、どんな話をしているのかわかっていない顔で、でも嬉しそうに笑った。僕も笑った。

そこで目が覚めた。